2025.07.14

平高教授によるゲスト講演 ードイツの第二国語言語教育政策ー

     

7月14日に、慶應義塾大学名誉教授の平高教授がゲスト講義「定住者に対する言語教育-ドイツと日本の場合を例に」を行ってくださいました。この講義ではドイツの移民政策、特に言語政策について深く全体像が理解できるようお話しくださいました。ドイツでの今までの政策の効果や課題、また昨年からの大幅な言語対策の変更の状況などを伺い、学生たち一人ひとりがドイツの状況の知見を通して日本の移民政策について考えを深める有意義な講義となりました。

私個人的には、日本やドイツや米国で移民の背景を持っている人々に対する政策的対応が停滞してきていることを感じました。これらの国では移民の背景の人々が多くなっている一方、その人々の存在に不安感を持つ人々が多く存在している。そんな中、平高教授の講義で、第二言語としてのドイツ語教育に対する行政からの資金が2024年に大幅に低下したお話を聞き、ドイツの政治情勢の変化が引き起こした現象なのだろうと考えました。日本でも参議院選挙では「日本人ファースト」というスローガンが採用されるほど海外からの移住背景を持つ人に対して強い懸念や不満を感じる人々が多く存在する。一カ国のみの問題ではなく、GDPランキングで1位、3位、4位である世界的影響力の高い国々がこのような政治的転換をしていることに、将来への不安と恐怖感を感じました。これからは、今までのアプローチでは足りない何かの要素を加えて、多文化共生社会を推進していかなくてはならないのではないかと考えさせられました。(文責:ロビンソン莉代)